「胸の筋肉をほぐします」ーーマッサージと言う名のもとに始まった、境界のない施術
夫は自分の知り合いに頼んで、マッサージのお客さんを紹介してもらっていました。
9割が女性のお客様でした。
どのタイミングでそうなったのか。なぜそんな箇所を触りたいと思ったのか。
聞いても無駄だと思い、私は何も言いませんでした。夫の逆鱗に触れるのが
怖かったのもありました。
カーテン一枚の向こうから、夫の声が何度も聞こえてきました。
「大胸筋と小胸筋という筋肉があります。この部分をほぐしたら、呼吸が楽になります」
「胸の筋肉をほぐしにくいので、ブラジャーを外してください」
隣で別のお客様を施術していた私は、最初は耳を疑いました。
一瞬躊躇されたお客様でしたが、「はい、外します」という声が聞こえてきました。
多分、隣に「嫁」という存在がいるから、変なことはされないだろうと思われたのかもしれません。
でも、施術という名のもとに、それは当然のように始まっていきました。
胸だけでは収まりませんでした。
「内転筋や、骨盤を支える骨盤底筋もほぐしましょう」
そう言って、女性の大切な部分にまで、堂々と触れていくようになったのです。
隣にいながら、何もできませんでした。
止める言葉も、力もありませんでした。
これは施術ではなかったと、今なら分かります。
資格も看板もない場所で、信頼を利用して行われていたことでした。
📞 #8778
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