「育てかた間違えたなぁ」ーー元夫の葬儀で見えた、息子が受け継いだもの
次女から、元夫の葬儀の日の話を聞きました。
火葬の前の、束の間のお別れ会のような形式だったそうです。
息子が喪主を務めましたが、その態度に次女は恥ずかしい思いをしたと言います。
上着を脱いでまで来てくださった参列者の方々に、前を向いて話すことをせず、わざわざ前の席に座り、体をひねって後ろを向いて話す。
そんな非常識な振る舞いだったそうです。
荼毘に付されている間、次女は「かごの屋さん」のような、皆さんがゆっくりできる和食のお店を提案したそうですが、なぜか喫茶店で昼食をとることになったそうです。
驚いたのは、止め焼香です。
息子は誰に頼むかすら決めておらず、本来なら今も健在な元夫の兄、つまり叔父に頼めば良いものを、まったく考えが及んでいませんでした。
結局、急遽、長女の婿が務めることになりました。
私は長女を出産してすぐに義母に取られ、長女は義母の手で育てられました。
そのため、長女とは親子という関係性が皆無でした。長女が家を出た24年前から疎遠です。
婿の顔も、名前すら知りません。
その婿が、息子が喪主としての責務を果たしていないことに、葬儀が終わるまで憤怒の表情だったと聞きました。
次女も、兄の態度や段取りの悪さに言いたいことがあったはずです。
でも、妹という立場では言えなかった。
そのもどかしさの中で、次女は私にこう言いました。
「育て方、間違えたなぁ」
私は、返す言葉がありませんでした。
でも今、改めて思うのです。
息子が育ったのは、怒号と暴力が日常だった家でした。
人前でどう振る舞うか、誰かのために段取りを考えるか——そうしたことを、穏やかに教えてくれる大人が、あの家にはいませんでした。
息子の不作法は、私の育て方だけの問題ではなく、あの環境が残したものでもあると思います。
DVのある家庭で育つ子供は、暴力を受けた側だけでなく、見て育った子供自身も、人との関わり方に影響を受けます。
もし今、お子さんのいる環境でDVに苦しんでいる方がいらっしゃったら、それはあなた自身のためだけでなく、お子さんの将来のためでもあります。
どうか、一日でも早く安全な場所へ。
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