「親父すごいわ」ーー銀行を止めた義父と700万円の借金
義母と愛人の姉妹の怒号は、1時間ほど続きました。
元気やなぁ。
怒鳴り合うにもエネルギーが必要です。そのエネルギーを、もっと他のことに使えばよかったのに。倫理観を欠く人には、怒鳴り合いすら糧になっていたのでしょうか?
翌朝、店で仕事をしていると、大手銀行から一本の電話がありました。
私が受け、すぐに義母に代わりました。
あの太い体がプルプルと震えていました。
焦った義母の姿を見たのは、初めてでした。
そこへ夫が帰宅しました。
「飯!俺の飯は!」
朝帰りしてきていきなりの怒鳴り声。
接客中だった私に、お客様がそっと声をかけてくださいました。
「朝帰りしたからって怒ったらあかんで。落ち着いてな」
私は「はい」とだけ答え、施術中にもかかわらず夫の朝ごはんの用意をしました。
自分でしろよ。
その言葉は、飲み込みました。
お客様が退店され、食器を片付けようとした時、義母がぽつりと言いました。
「700万円、今日中に返せって電話で言われたよ。仕方ないから返すよ」
妙な言い方だな。
借りたら返す。出したら片付ける。開けたら閉める。挨拶。ありがとう。ごめんなさい。
当然のことが、この家にはありませんでした。
朝ごはんを食べ終えた夫が、自慢げに話し始めました。
「親父は凄いわ。○○銀行に金借りに行ったら貸せないと言われたから、嫌がらせをしたんや。聞きたいか?」
聞きたくはありませんでした。
でも聞かないと暴れられても困る。
「……聞きます」
夫は話し出しました。
義父は無担保で700万円を貸せと銀行に迫ったそうです。断られた義父がとった行動は、ある人たちに一人100円ずつ口座を作らせることでした。その数は、銀行1日の業務を止めるほどだったと言います。
夫は誇らしげに語りました。
それ、営業妨害やん。それ、ほんとですか?
おそらくその支店長も、義父に何か弱みを握られていたのでしょうか?訳が分からない。
時代なのか、何なのか。
私の内臓がどこかへ落ちそうな気持ちでした。
わからない一族でした。
理解できない世界に放り込まれ、
それでも毎日店に立ち続けていた私。
今、同じように
出口が見えないと感じている方へ。
必ず、出口はあります。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。


コメント