「籍を入れるのはオカンのため」ーーこの一家は小説より奇なりだった。
長兄に注意された義母は、まったく意に介しませんでした。
「うるさいんだよ!」
人としての感覚が、そこにはありませんでした。
呆れた長兄が、次にこんなことを言い始めました。
「オカン、親父と籍を入れてくれ」
えええぇぇぇ〜!
夫婦じゃなかったの?
では、愛人も愛人ではなく……?
頭の中が混乱しました。
長兄が説明しました。
籍を入れるのは、義母のためだと。
先に亡くなった愛人には息子がいる。
義父が倒れたとわかれば、何か動きがあるかもしれない。
だから正式に籍を入れておく必要がある、と。
小説より奇なり。
それどころではありませんでした。
この一家は、一体何なのだ。
私の頭の中は、まったく整理がつきませんでした。
渋る義母を、長兄が市役所へ連れて行きました。
そして晴れて?入籍となりました。
ここで、ふと思いました。
では、なぜ義母は義父の腕にあざをつけるほどつねったのか。
本妻でもなかったのに。
不思議でなりませんでした。
普通の感覚では理解できない人間関係の中で、
私はずっと生きていました。
「うちだけがおかしい」と感じている方へ。
その感覚は、正しいです。
おかしいのは、あなたではありません。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。


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