「悪かったなぁ」ーー夫ではなく、長兄がかけてくれた言葉
仕方なく、嫌な人間しかいない場所へ戻りました。
夫はすぐに喚き散らしました。
「お前が居ない間に仕事をしていた」
そんなに仕事をしたくないなら、あの世に行けば?
その言葉を、私は飲み込みました。
私が居ない間に、義母は益々長女の母親のように振る舞っていました。
そもそも、義母と夫が私を戻そうとしたのには、わけがありました。
毎日病院へ行き、義父に付き添う――いえ、監視するためでした。
長女を連れて行くわけにはいかない。だから私を呼び戻した。
戻るなり、義母から策略を聞かされました。
ぽか〜んと聞いていると、そこへ長兄がやってきました。
「おおっ、帰って来てくれたんか。悪かったなぁ」
胸がじ〜んと熱くなりました。
本来なら、夫がかけるべき言葉でした。
胸が熱くなったのも、束の間でした。
長兄が義母に向かって言いました。
「オカン、親父の腕、あざだらけにしたやろ。もう行くな」
義母はこっそり病院へ行き、義父の腕をつねりに行っていたのです。
看護師さんから、腕があざだらけであることを指摘されたとのことでした。
術後の患者に、あざができるまでつねり続ける。
言葉を失いました。
暴力は、外に向かうだけではありません。
弱った人間にも、向かっていきます。
そしてその異常さに、誰も気づかない環境がある。
もしあなたの周りに、そんな環境があるなら。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。


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