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本当に、部屋の中には何もありませんでした。
薄っぺらい布団と、炊飯器と、テレビだけ。
コップがない。箸がない。タオルがない。今日はお風呂に入るけれど、石鹸も、シャンプーもない。あああ〜、トイレットペーパーがない。
淋しいと感じる前に、買い物に行こう。そう思って、外へ出ました。
ところが、方向音痴の私は、自分がどこにいるのかも、分かっていませんでした。
今、思い出しましたが、不動産会社の方が、最後に自転車が必要になるからと、自転車屋さんまで連れて行ってくださいました。そこで、お別れしました。何が必要かを知っているから、必要最低限のものを、ほかの方々にも、同じように揃えてくださっていたのだと思います。
私は、たまたま持って出た鞄に、自分名義の通帳が入っていたので、最低限必要なものを揃えることができました。それでも、ゼロから揃えることの大変さを、知りました。今は、「ここまで、よくやってこられたなぁ」と思います。
部屋は、25平米ほど。とても狭くて、お風呂とトイレは一緒でした。
お腹は空いていたのに、ご飯を食べる気になれません。米がない。しゃもじがない。あ〜! と思いながら、近くのスーパーに行って、お惣菜とおにぎりを買いました。さあ、食べよう、と思った時に、テーブルがないことに、気づきました。
果てしなく、何もないことだらけ。
早く仕事を探さないと、生活ができない。元夫の怒号とは違う、別の恐怖が、襲ってきました。通帳があるとはいえ、使えば、なくなる。でも、最低限のものは、いる。下着もない。保護施設では、肌着や衣類を借りていたのです。
胃のあたりに、元夫の怒号とは違う、重い感覚が、広がりました。
とにかく、安いもので良いから、買いに行こう。
グッと、ご飯を飲み込みました。
新しい生活は、思ったよりも、大変でした。
ちなみに、私は貯金通帳が手元にあったので、自分で揃えましたが、お金が全くない方は、行政の方に、用意してもらえることがあると聞いています。地域や状況によって、違いがあるので、まずは、行政の窓口や、相談窓口に聞いてみてください。安心してください。
もし今、家を出ようか迷っている方へ。
持ち物がなくても、大丈夫です。最初は、何もなくて、当たり前です。それでも、少しずつ、揃えていけます。
一人で抱え込まず、DV相談ナビ #8008 や、#8778 に、話してみてください。
明けない夜はない。
📞 DV相談ナビ #8008
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。



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