化粧ポーチの切り抜きが私を救ってくれたーー岡野あつこさんの言葉と私の28年

「お前がこの資格を取れ」ーー美容師を辞めると言い出した夫と勝手に始まった「先生」

元夫が亡くなって、色んな大変だった過去の記憶が蘇ってきます。

なぜそんなことにまで及んでしまったのか。

昨日、かかりつけの整骨院の院長先生と話をしていました。

毎日朝から晩までパチンコ三昧だった夫が、ある日突然言いました。

「俺、美容師やめるわ」

いや、待て。そもそも美容師してたんか?

私は「はぁ」「ふう〜ん」「へえ〜」と返事をするだけでした。

勝手に喋り出す夫の話を、聞くしかありませんでした。

それは、カイロプラクティックという名の仕事のようでした。

人の体をマッサージして治す、というような意味合いのことを言っていました。

今から25、26年ほど前のことです。

マッサージ用のベッドがいると言い出し、仕方なくカタログで取り寄せ購入しました。

美容室の一角をカーテンで仕切り、そこで施術をすると言い出しました。

私に止める権利はありませんでした。

機関銃のように喚く夫の言葉を、ただ受けるだけ。

そしてそれらを買い与える。

問屋で白衣を買い、それを身に纏うと、来店するお客さんから「先生」と呼ばれるようになりました。

一人40分から1時間のマッサージ。一日一人しか施術していなくても、

「俺は働いた!俺の働いたお金は俺の金や!俺のものや!」

想定内でしたので、何も言わず黙っていました。

殴られるのが怖かったからです。

看板も出さず営業する夫に、「もし怪我でもさせたらどうするのか」とさすがに問いました。

帰ってきた言葉は、

「お前がこの資格を取れ」

民間の整体師の資格でした。それを取得し、保険に加入するというものでした。

なぜ私が取るのかを問うと、

「お前しか取る奴おらんやろ!」

仕方なく勉強し、通信で資格を取りました。

本当に身勝手でした。

でもその身勝手が、この後さらに恐ろしいものへと拍車をかけていくことになりました。

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