「お前が死んだらおかんに金やろうと思ってる」ーー吊り橋で感じた死の恐怖
岡野あつこさんの著書に、こんな問いがありました。
「目の前に夫が瀕死の状態だとします。あなたはどうしますか?」
その問いを読んだ時、ある記憶が蘇りました。
20代という若い頃のことです。
夫が生命保険の話を持ち出しました。
「お前が死んだら、おかんに金やろうと思ってる。ええやろ?」
先に私が死ぬ設定になっている。当時私には4000万円の死亡保険がかけられていました。
支払いは私でした。のちに解約しました。
背筋が寒くなりました。
それから間もない頃、寒い冬に夫に奈良の吉野へ連れて行かれました。
高所恐怖症の私の目の前に、吊り橋がありました。
「橋を歩け!」
夫に肩を掴まれ、怒鳴られました。
下には吉野川が流れていました。
怖くて足がすくみました。それでも渡るしかありませんでした。
太いロープにしがみついていると、夫が橋を揺らし始めました。
結構な揺れでした。
落ちる。落とされる。
恐怖が体全体を占めました。
しばらくして揺れがおさまると、夫が腹を抱えて笑っていました。
生命保険の話と、この吊り橋の記憶が、頭の中で重なりました。
あの時、本当に危なかったのかもしれない。
そう気づいたのは、ずっと後のことでした。
命の危険を感じたら、すぐに逃げてください。
「気のせいかも」と思わないでください。
あなたの感じた恐怖は、本物です。
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各都道府県の女性支援センターにつながります。


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