「考えすぎやで~」―― かきくけこ夫の顔色ばかり伺っていた私が、教えてもらったこと

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「考えすぎやで~」―― かきくけこ夫の顔色ばかり伺っていた私が、教えてもらったこと


40代後半で雇っていただけたことは、本当にありがたいと思いながら仕事をしていました。それまで、低料金の美容室という存在すら知らなかった私です。

毎日が日曜日のように、次から次へとお客様が来店されます。名前を聞くことも一苦労。いざ施術のとき、長さとスタイルを聞くのも一苦労。髪はいつ洗ったか分からないほどに汚れてベタベタ。お客様の身体に髪の毛がつかないよう巻いたクロスの下から、手が出る、指が出る。巻き舌で因縁をつけられる。セット椅子の上で体育座りをするお客様。

ああ、私、やっていけるかな。というより、なんでそんな態度を取るのだろう。そう疑問に思っていました。

それに、低料金ではありましたが、スタッフさんはそんじょそこらの美容師とは比べ物にならないほど腕が良いことに、私は気付きました。

かきくけこ夫は「俺は世界一上手い!」と言っていましたが、その腕は毎日毎日パチンコで使っていました。

礼儀を親から教えられていない感じの方々が多かった。かきくけこ夫と同じような環境で育たれたのだと思うようにして、施術をしながら他のスタッフさんの技術を見ていました。

今まで、誰かと共に仕事をすることがなかった私。誰かの技術を見ることさえ、かきくけこ夫から奪われていたのでした。

一日中立ちっぱなしは、正直辛かったです。今までずっと夫から金づるとして扱われ、こき使われていましたが、いつでも座れた――というのは、個人店の利点でした。それだけでしたね。

現在も仕事をしていますが、立って仕事ができることをありがたく思っています。

このお客様との関わり方を、自分でスムーズにこなせるようになったら、やっていける自信にもつながるのでは。日々そう考えながら仕事をしておりました。

そんなことを、閉店間際にタオルを畳みながら若いスタッフさんに話すと。

「考えたら心病むから、忘れるねん。次のお客さんが待ってる。1人終わったら、完結するねん。また次、また次。考えすぎやで~」

かきくけこ夫の顔色ばかり伺っていた私は、いつの間にか、考えすぎる奴になっていました。

考えすぎは、心を病みます。そんな男とは、スパッと離れてください。#8778にお電話してください。

一人で抱え込まず、あなたのミカタ#8778、または各都道府県の女性支援センターに、まずは話してみてください。

明けない夜はない。

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