「これは病気かも」―― 家を出た後、髪が抜け続けた私の体に起きていたこと

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食べ物を置く机も、テーブルも、お膳すらない。

そんな部屋でしたが、古着屋さんには、リサイクルの家具や、冷蔵庫、洗濯機なども売っていました。一人で食べるだけだから、と、私は、昭和の絵に出てくるような、小さな折りたたみのお膳を買いました。

やっと、食事を床に置かなくて済む。

そのころは、まだ、テレビを見るのが、暮らしの中心でした。テレビを見ながら食事をするのですが、次のことを考えると、どうも、ご飯が喉を通りにくいのです。当たり前のように見ていたお笑い番組も、笑えない状態でした。

そのころ、ひとつの違和感がありました。

髪の毛が、抜けるのです。

家を出た時、私は元夫に殴られました。その時、左のこめかみのあたりから髪をつかまれて、生え際の髪が抜けていました。ひどい扱いを受けたものだと、仕返しができるなら、してやりたいと思いました。

けれど、それとは別に、シャンプーのあと、ドライヤーのあとに落ちる髪の毛が、あまりに多いのです。

「これは、病気かもしれない」

そう思った日から、手帳に、何本抜けたかを書き留めるようにしました。排水溝にたまる髪の量は、恐ろしいほどでした。

それとあわせて、寝汗がひどくなりました。朝起きると、薄い布団の裏まで、汗でぐっしょり濡れているのです。動悸もありました。

「仕事のことが不安だから?」
「弁護士の先生にお会いするから?」
「淋しいから?」
「私、頭がおかしくなっているの?」

いろいろ、考えました。

約1か月、手帳に書き続けて、病院へ行きました。もしかしたら、甲状腺の病気かもしれない、と思ったのです。血液検査を受けると、甲状腺機能亢進症という病気になっていました。強いストレスが関係している病気だと、医師から説明を受けました。

元夫からのDVの影響は、こんなところにも、出ていたのです。

もし今、あなたが、家を出たあとに、髪が抜ける、寝汗がひどい、動悸がする、眠れない、食べられない、といった体の変化に気づいているなら。

それは、「気のせい」でも、「あなたの弱さ」でもありません。長い間、緊張の中で暮らしてきた体が、ようやく、悲鳴をあげているのかもしれません。

自分で決めつけず、一度、病院で診てもらってください。私は、「何本抜けたか」を手帳に書いたことが、受診するきっかけになりました。

そして、一人で抱え込まず、DV相談ナビ #8008 や、#8778 に、話してみてください。

明けない夜はない。

📞 DV相談ナビ #8008
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