豚カツ、唐揚げ、海老の天ぷら、豚肉のスペアリブ、牛すじ肉は何度も煮汁を捨てては煮直して焼き上げ、クリームコロッケ、カボチャのコロッケ、カボチャのスープ、カボチャのサラダ、さつまいものコロッケ、さつまいものカレー――もう、挙げたらキリがありません。
私は、かきくけこ夫の要求に応えるよう命令されるまま、山ほどのおかずを作り続けました。
この、かきくけこ夫とは、
か、稼ぎが無い
き、ギャンブル狂い
き、汚い
け、ケチ
こ、根性腐ってる。以上です。
当時、魚も三枚に下ろせるようになっていました。いや、私は美容師です。調理師ではありませんのよ。
お正月には黒豆も炊きました。シワが一つもない黒豆を。料理人じゃないんですよ、私。黒豆つながりで、ぜんざいも作らされたことを思い出しました。「缶詰は許さん!」とアホのかきくけこ夫に言われ、小豆から炊きました。一晩、水に浸けましたわ。ああ、水羊羹も作りましたね。寒天か、粉寒天か、ゼラチンか。なんて、考えながら、和菓子職人でもございませんが。失敗もしましたが。
そして、極めつけはプリンです。しかも、巨大プリン。
今でこそ動画でバケツプリンを作って配信している方がいらっしゃいますが、私の場合はアホのかきくけこ夫からの圧力で、ボウルでプリンを作らされました。
いやいや、心筋梗塞でカテーテルを入れたばかりの人間が食べるものではないと思ったのですが――食べて死んでくれ、と心の中で思っていたので、一切の躊躇なく作りました。
まず、ボウルのプリンをひっくり返せるお皿がなかったので、パーティ用の大皿を買ってきて、そこへひっくり返しました。
「ほう~」
何が嬉しいのか、かきくけこ夫は子供たちよりも大きな声を挙げ、プルンと揺れる巨大プリンを自分の前に引き寄せ、「触るな!オレのプリンや!」とカレースプーンで掬い始めました。子供たちには別に作っていたので、かきくけこ夫のプリンを欲しがることはありませんでした。
働きもしない。美容師の仕事を突然辞めて、怪しいマッサージ業を始めても、稼ぎはパチンコに消えていく。それなのに平気で「あれ作れ」「これが食べたい」と抜かしてくれたものです。
頼る場所もない。行く場所もない。当時の私は、ただひたすらに耐えるしかありませんでした。
でも、令和の今はあります。
夫から大切にされていない方、毎日怒号を浴びせられている方――どうか#8778にお電話してください。
一人で抱え込まず、あなたのミカタ#8778、または各都道府県の女性支援センターに、まずは話してみてください。
明けない夜はない。
プリンは半分残しました。もはやプリンではありません。プリンは、お皿ではなく、お椀に入れて召し上がりください。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。
詳しくはこちら→ https://www.mhlw.go.jp/anata-no-mikata/



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