明けない夜はない〜DVから逃げたい方へ〜

「もっと早く救急車を呼んでいたら」ーー義父の脳梗塞と、ひまわり義姉の言葉


夕方17時を過ぎた頃、長兄がやっと来てくれました。

「大変やったなぁ」

その一言に、朝からの緊張がすっと緩みました。

状況を説明していると、またあの女性から電話がかかってきました。

「長兄に代わります」

受話器を渡すと、長兄は静かに頷きながら聞いていました。

「○○ホテル、わかりました」

電話を切るなり、「いってくるわ」と長兄はすぐに出て行きました。

今、ホテルの名前が聞こえた気がした。

考える暇もなく、ご来店のお客様への施術が始まりました。


1時間もしないうちに、義父が近くの救急病院に搬送されました。

そしてその病院では対応できないと判断され、専門病院へと転送されました。

長兄が一度戻り、義母に義父の緊急を伝えました。

しかし義母はあまりピンと来なかったのか、ついて行かず、ラーメン屋も開けないまま、長女と遊んでいました。

なんとも言えない不気味な感覚の中、ひまわり義姉が来てくれました。

安堵しました。

義母が長女を我が子のように抱えているのを見て、ひまわり義姉がすぐに声をあげてくれました。

「お義母さん、いい加減子供を返してあげたら。私の時と同じことしてる」

ひまわり義姉自身も、義母から散々いじめを受けてきた方です。どこまで言えるか、また暴力を振るわれるかもしれない。それでも言ってくれました。

「やだよ。この子は私の子だよ」

義母のその言葉に、ひまわり義姉は項垂れました。

それでも私は、心から感謝していました。


そんな時、転送先の病院にいる長兄から電話がかかってきました。

「○○病院や。今、手術中や。あいつはまだ帰ってないのか?」

夫とは、まだ連絡がつきませんでした。

ひまわり義姉と義母と共に、病院へ向かいました。


診断は、脳梗塞でした。

医師はこう告げました。

「もっと早く救急車に乗っていたら、後遺症は残らなかったでしょう」

その言葉を聞いた瞬間、私の頭にはこんな言葉が並びました。

何故もっと賢い女性とお付き合いができなかったのか
散々悪事をしてきた報いですか

ひまわり義姉も、同じ気持ちだったのでしょう。

今まで抱えてきた辛さを吐き出すように、こう言いました。

「私は絶対に見ないから」

当然の言葉でした。

二人の我が子を、この家に堕胎させられた方の言葉でした。


理不尽な環境の中でも、
私にはひまわり義姉がいました。

同じ痛みを知る人が、そばにいてくれた。
それだけで、あの頃の私は立っていられました。

もし今、あなたの周りに話せる人がいなければ、
どうかこちらに電話してください。

📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。

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