化粧ポーチの中の、小さな希望ーー「出て行く方法を探し始めた日
その頃、毎日飲酒運転で帰宅していた義父が、体調が悪いと言い始めました。
飲んで車に乗るな。
その言葉を、私は飲み込みました。
玄関でうずくまる義父の姿を見ても、可哀想だという感情は一切ありませんでした。
人を轢いたらどうするんだ。
パトカーも先導するな。
一体どんな関係性なのか。
夕方からラーメン屋をしていた義母は、義父がうずくまっていることにも気づかないまま。
朝になれば義父は玄関からいなくなっていました。
自分の部屋で眠っているのだろう。
それ以上、考える余裕など私にはありませんでした。
朝から長女に甘いロールケーキやクッキーを与える義母。
以前は止めようとしていました。
でももう、止めることもやめていました。
私の頭の中は、ひとつのことだけで占められていました。
いつ、どうやってこの家を出るか。
自分の親戚に迷惑がかからない方法はあるのか。
ある日、女性週刊誌に掲載されていた記事が目に留まりました。
私はそっとハサミで切り取りました。
そして化粧ポーチの中に忍ばせました。
誰にも見つからないように。
それが、私の小さな希望でした。
逃げることを、諦めていなかった証でした。
「出たい」と思うことは、正しいことです。
その気持ちを、どうか大切にしてください。
今は、一人で調べなくても、
相談できる場所があります。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。


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