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元夫が亡くなってから、昔のことを思い出すのは、私だけではありませんでした。次女もまた、ふとした拍子に思い出すことがあるそうです。
その次女が、笑いながら言いました。
「親父は、人として最低や」
何も知らない田舎の片親の若い女の子を、自分の思い通りに操って、自分は楽をしていた。そんな最低の人間だと。もはや、笑うしかないと言うのです。
私が若くして父親を亡くしていることを、元夫は馬鹿にしていました。何をしても文句を言う人がいない。だから、朝から晩まで毎日毎日パチンコ三昧。負けたら、暴れる。
19時閉店だった美容室の中には、大人の自転車と、子どもたちの自転車を入れていました。負けて帰ってくると、その自転車を蹴り飛ばす。自転車が飛んでいくのを、何度も見たと次女は言います。そして、母親である私に蹴りを入れていたことも、覚えていると。
「多分、親父は自分に全く自信がなかったんやと思う。だから、片親のお母さんを騙して、良いように洗脳して、自分から離れんようにしてたんや」
私が「離婚して仕事を探す」と、何度も元夫に離婚を切り出した時のことです。そのたびに、こう言われました。
「お前みたいな腐った人間を、どこの会社が雇うって言うんや! お前は腐った人間じゃ!」
何度も、何度も、です。その言葉は、次女も覚えていました。
「あれだけ言われたら、ほんまにそうなんかと思ってしまって当然やわ」
「お母さんは、完全に洗脳されてたんやと思う」
毎日、怒号を浴びせられる。私の頭の中は、「自分はダメな人間だ」という考えで埋め尽くされていました。それは、元夫によって作られたものでした。本当に、悔しさと後悔でいっぱいです。
そんな私に、次女はこう続けました。
「でもな、お母さん。お母さんの尊厳を踏みにじった人は、最後に自分も尊厳を踏みにじられたんやで」
私は、元夫に苦しんでほしかった。ずっと、そう思っていました。次女に、そう打ち明けました。
すると次女は、静かに言いました。
「お母さん、苦しんで欲しかったって言うけど、十分やで。尊厳を踏みにじられたんやから。……忘れよ、って言うたら軽いけど、これからの人生、楽しもう」
その言葉を聞いた瞬間、胸のつかえが、スッと落ちた気がしました。
許せたわけではありません。忘れられるわけでもありません。それでも、「十分だ」と言ってくれる人がそばにいる。そのことが、何よりの救いでした。
元夫が私に行ったDVという行為。その所業の重さは、計り知れないほど私の心を傷つけました。この行き場のない気持ちを抱えている女性が、この世の中にどれほどいることでしょうか。
もし今、「自分はダメな人間だ」と思い込まされている方がいたら、それはあなたのせいではありません。
一人で抱え込まず、あなたのミカタ#8778、または各都道府県の女性支援センターに、まずは話してみてください。
明けない夜はない。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。
詳しくはこちら→ https://www.mhlw.go.jp/anata-no-mikata/


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