「離せ!オレに触るな!」―― 恥ずかしくて、他人のふりをした私

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病院に着くと、やっと夫につかまれていた手が解放されました。「めんどくさいなぁ」と思いながら、待合で待っていると、やっぱり聞こえてきました。

何度、聞いたことでしょうか。「何でここに来たんだ?あんたは?」と問いたくなるような怒号が、処置室から聞こえてきたのです。

「離せ!オレに触るな!オラァァぁぁぁぁ!」

また、喚いて、叫んで。医療従事者の方々にご迷惑をかけていました。

救急車を呼んでくれと言ったのは、あんたでしょうが。何故、喚いているんだ?恥ずかしい。病院で迷惑をかけて、何を考えているのか。

わからなくて当然でした。身勝手で自分勝手な人間にしかできないことなんです。人でなしだから、できるんです。

恥ずかし過ぎて、他人のふりをしていました。でも、「奥さん、中へどうぞ」と看護師さんが呼びに来られて、周りの視線を浴びることになりました。

あの冷たい視線。穴があったら入りたい。そんな気持ちでした。

散々暴れまくったこのおっさんを、医療従事者の方はどのようにして処置なさったのでしょうか。きちんと点滴がつけられ、ベッドを上半身だけ傾けた状態で、ギロリと目ん玉をひん剥いた夫が私を見ました。

「今から、緊急でカテーテルを入れます」

医師の言葉に、また、か、と私の頭が「残念」と告げました。生きてるやん。しかも元気に暴れ倒して。何のためにここにいてるか、わかってるか?と言いたい気持ちを、ぐぅっと飲み込みました。

もう何度、この状況にいたことでしょうか。

「勝手に決めるな!オレは、カテーテルなんかせへんゾォ!」

雄叫びに近い声をあげる夫に、頼むからこのまま死んでくれ、と何度心で叫んだことでしょうか。

処置室から手術室へと移動していく夫の後ろを歩きながら、私は恥ずかしさと、面倒な夫に「死んでくれ」と心で何度も叫んだ自分に、複雑な思いを抱えていました。

もし今、こんな理不尽で身勝手なパートナーのそばにいる方がいたら、伝えたいことがあります。あなたも、今すぐそこから離れて、新しい人生を送っていいんです。

一人で抱え込まず、あなたのミカタ#8778、または各都道府県の女性支援センターに、まずは話してみてください。

明けない夜はない。

📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。

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