やっとの思いで、自分に合う歯科医院を見つけました。歯医者はたくさんあるのに、なかなか自分に合うところが見つからず、離婚してからようやく巡り会えた歯科医院で、歯のクリーニングを受けていました。
私の左奥歯は、入れ歯です。悲しいことに、39歳という若さで入れ歯になってしまいました。
自分の手入れが足りなかった部分もあると思います。でも、何より腹が立つのは、元夫がパチンコでお金を使いすぎて、歯が痛いのを我慢するしかなく、歯医者に行けずに抜歯という結果になったことです。出産をした女性に多いとも聞きます。妊娠中にしっかり休養できなかった、産後も休めなかった――それも原因だと、私は思っています。
「金ないのに何が歯痛いねん!はぁ? お前! 頭おかしいのか?!」
何度そう言われたかわかりません。その当時、奥歯に「正露丸を詰めとけ!」と夫に言われ、詰めていました。次第に顎が腫れてきて、これはもう尋常ではないと歯医者に行くと、抜歯という結果になりました。
「もっと早くに来てもらえたら、残せたのに」
先生は残念そうにそうおっしゃいましたが、もうどうにもなりませんでした。
39歳で作った入れ歯も、もう限界を迎えていました。近くの歯医者で新しく作ってもらいましたが、痛くて合わず、やっとの思いで紹介してもらったのが、今の歯科医院でした。
クリーニングの、キーンという機械の音の中で、私は心の中で叫んでいました。
「おい、あんたの責任で、私は入れ歯になるまで我慢したんや!」
クリーニングが終わった時、歯科衛生士さんからこう聞かれました。
「奥歯をグッと噛み締める癖、ありませんか?」
その言葉に、DV夫に何を言われても、何をされても、ただ我慢して歯を食いしばっていた、あの頃の自分が蘇ってきました。今も、その食いしばる癖は抜けていません。
離婚してからも、ずっと一人で働いてきました。息子からの金銭の要求にも、疲れ切った私は何も考えられないまま、毎月5万円を払い続けました。我慢、我慢、我慢の連続の日々。ドラッグストアで正露丸を見つけた時も、奥歯に詰めていた自分を思い出します。
許せません。
亡くなった人のことを悪く言うなんて、まるで自分が神様にでもなったような気でいるのかと思われる方もいるかもしれません。でも、元夫が私にしたことは、捕まっていないだけで、犯罪です。暴力は犯罪です。パチンコで負けたからと妻を殴る行為は、犯罪です。そこをきちんと区別してから、ものを言ってほしいと思います。
「今、生きてるからええやん」
そんな言葉、どうか言わないでください。実際に、私が言われた言葉です。元夫が亡くなったからといって、その罪が消えるとは思いません。私が受けた身体と心の傷、その痛みは、私が生きている限り、癒えることはありません。謝罪されても、癒えません。
だから、夫のDVに悩んでいる方に、傷をえぐるような言葉を投げかけないでください。
#8778に電話してください。自分の人生を、大切にしてください。
あなたのミカタ #8778
各都道府県の女性支援センターはこちら
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html


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