「一応、面接はできると言われました」ーーハサミを取り戻した日とハローワークで知った現実

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2026年の今では、仕事や転職は当たり前の時代です。けれど、私が離婚しようと家を出た頃は、40代後半にもなると、よほどの資格がない限り、仕事探しは難しいものでした。

次女が、元夫のもとから私のハサミを持って出ようとしたとき、元夫は「これはオレの物や!」と喚き散らしたそうです。次女からの電話で私は落ち込みましたが、すぐに弁護士の先生と連絡を取りました。弁護士の先生が元夫に電話をかけ、本人の私物を返すよう説得してくださいました。

もちろんですが、DV男は別れた後でもDVをします。嫌がらせが大好きな生き物なのです。

長時間にわたる説得に、元夫が仕方なく頷いた瞬間を見計らって、次女は3丁のハサミと、身の回りの衣類を持ってきてくれました。待ち合わせはマクドナルドでした。今でもマクドナルドの看板を見ると、あの日のことを思い出します。

レスポートサックの一番大きいカバンに、次女が「今、お母さんが必要としているもの」として詰めてくれていました。レスポートサックのその鞄は元夫がいつも心筋梗塞で入院した時に荷物を詰めていた鞄でした。嫌な元夫の顔が浮かびましたが、消しました。

「持ってきたで」

マクドナルドの店の中に次女の姿を見たとき、言葉にならないほど感動しました。あのDV男と戦って、持ってきてくれた。「ありがとう」では済まないほど、私は次女に感謝しています。

「これで仕事が見つかる。」

その時は、楽観していました。良かった、良かった、ありがとう。何度そう言ったかわかりません。

ハローワークに向かい、美容師の求人を探しました。現実は厳しく、30代までの募集ばかりでした。たまに出てくる「年齢不問」の求人に、自宅からの距離を考えながら、窓口で尋ねました。

ハローワークの職員さんが、電話をかけて確認を取ってくださいました。日にちが決まりました。年齢不問の言葉に、わずかな願いと期待を持って――面接はできるかどうか。

「一応、面接はできると言われました。」

「一応」とは何なのか。世間知らずの私には、その意味がわかりませんでした。

またユニクロで買った白いシャツと黒のパンツを履き、履歴書を持って向かいました。個人の美容室でした。私くらいの年齢の、男性オーナーでした。

「年齢不問とは書いたけど、それはそう書くように言われてるから求人を載せているだけで、本当は30代前半の人が欲しい。」

私は愕然としました。「ハローワークってなんなのだ!」と、怒りが湧いてきました。

男性オーナーは、「低料金の店ならスタッフいつでも募集してるから、一度連絡してみたら?」と、二箇所の低料金のお店の名前を教えてくださいました。

世間は厳しいなぁ。そう思いながら自宅へ戻り、私は教えてもらった低料金の店に電話を入れました。

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