私が住んでいる場所は、昼夜を問わず救急車のサイレンが聞こえてきます。「大変やなぁ、搬送先はすぐには見つからないやろうな」と、いつも思いながら聞いています。
私自身も、何度か救急車のお世話になったことがあります。そして、元夫は――私よりもずっと多く、お世話になっていました。まだ、私が家を出ようと決心がついていなかった頃のことです。
もう何度、搬送していただいたことでしょうか。
夫は普段、私に対して「出ていけ!ここは俺の親の家じゃ!」と、数え上げたらキリがないほど怒号をあげる人でした。
正直に言うと、「本当にしんどいのか?」と思うほど、そこまで辛そうには見えないこともありました。でも、家にいさせると怒号が飛ぶ。だから私は、仕方なしに救急車を呼んでいたのです。
夫は糖尿病で血糖値が高く、インスリンを打っていました。食後にインスリンの注射を打つと、急に血糖値が下がるのでしょう。打った後30分も経たないうちに「腹減った」「なんか飯ないんか?」と言われ、また何かを作る。テレビでコマーシャルが流れれば「これ食いたい」――一日最高で12回、食事の支度をさせられていました。12回と聞いたら、どなたでも驚かれると思います。
ある日、インスリンを打った後にまた「腹へった」と言われ、私は焼き飯を作りました。てんこ盛り、山盛りの焼き飯でした。「どれだけ食べたら気が済むんだ」――もう限界を超えていた時でした。
夫はそれを全部平らげた後、「うっ!」と胸を押さえて苦しみ出しました。
あ〜、もうこのままあの世に行ってくれ。
そう思いながら、私は冷たく夫を見ていました。それでも夫は「救急車を呼んでくれ」と言うのです。仕方なく119番しました。
救急隊員の方が来てくださいました。多分、「またこの人か」と思われていたかもしれません。「奥さんも一緒に」と言われ、嫌なのに共に救急車に乗りました。
すると、夫が「はぁ、はぁ」と息を荒くしながら、私の手を握ってきたのです。
なんで?あれだけボロクソに言われて、握るな。気持ち悪いわ。
心の中で叫びながら、振り払いたい手を、なぜか振り払えずに握られ続けていました。それが、今でも謎です。
普段は怒鳴って支配しようとし、弱ったときだけ縋りついてくる。この矛盾に、当時の私は振り回され続けていたのだと思います。今振り返ると、それもまた、DVという関係の中にある一つの型だったのかもしれません。
もし今、同じように振り回されている方がいたら、伝えたいことがあります。それは、あなたが悪いわけではないということです。
一人で抱え込まず、あなたのミカタ#8778、または各都道府県の女性支援センターに、まずは話してみてください。
明けない夜はない。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。
詳しくはこちら→ https://www.mhlw.go.jp/anata-no-mikata/


コメント