本文
保護施設には、確かにたくさんの被害女性がいらっしゃいました。ただ、その中身は決して一様ではありませんでした。被害を受けたことで心を病んでいる方もいらっしゃれば、そっと悪さをする方もいました。「あなたは何故ここにいるのですか?」と問いたくなるような方もいたのです。
入所したばかりの頃は、悲しい、辛い、怖い――そんな気持ちでいっぱいで、周りが見えていませんでした。それが次第に、人を、周りを見るようになっていきました。
施設の中には、いつの間にかグループができていました。私も、最初に声をかけてくださった方と、自然と親しくするようになりました。長く滞在する方もいらっしゃいました。
けれど、施設もそうしたことを見越しているのでしょうか。グループが出来上がった頃合いを見計らうように、一人去り、二人去り、と、新たな出発として保護施設から人が去っていきました。
DVからではなく、別の意味で保護されている方もいました。
私がお世話になった保護施設は、各自一人ひとりに部屋が与えられていて、とても快適でした。それでも、こんなことがありました。
ある方――ここでは、バツさんとお呼びします――が、私が昼寝をしている間に、勝手に部屋に入ってきました。そして、私のロッカーに手をかけていたところで、目が覚めました。
「何をしているのですか?」
そう聞くと、慌てて出ていきました。ロッカーに鍵をかけていたので助かりましたが、本当に色んな方がいるのだと思い知りました。悲しみに暮れていると、別の被害にも遭う。この一件で、私は自分で自分の身を引き締めました。
施設の職員さんたちは、とても親切でした。食事も美味しかったです。
「この、施設にいる時間はこれからの事をじっくり考える時間でもあります。」
職員さんのこの言葉は、今も心に残っています。
朝7時からの朝食、昼は12時、夕食は18時。きちんとした生活のリズムを、そこで身につけることができました。保護施設は、次の出発に向けての準備を、そうやって整えてくれていたのです。
📞 #8778
各都道府県の女性支援センターにつながります。
詳しくはこちら→ https://www.mhlw.go.jp/anata-no-mikata/


コメント