明けない夜はない〜DVから逃げたい方へ〜

「蹴りかたを教えてやる」ーー仕事もせず私に格闘技を特訓した夫


毎日朝から晩までパチンコ三昧の夫が、ある日突然こう言いました。

「おい、俺がいてない時に変な奴が来たら、お前が何とかしろ。今から蹴り教えるから覚えろ」

そうして始まったのは、前蹴り、後ろ蹴り、横蹴りの特訓でした。

ずっと家にいない人に、何を言われているのだろう。

そう思いながらも、私は黙って覚えました。夫のためではなく、自分を守るために。

「回し蹴りはここでは無理やな」と夫は笑っていました。仕事をする気はゼロ。でも格闘技の特訓だけは熱心でした。続いてボクシングのアッパーまで教え込まれました。

もうどうでもいい。

そのとき、私の中で何かが静かに折れました。

実家にも帰れない。誰にも頼れない。頼ったら迷惑をかけてしまう――そう思い込んで、思い込むことで何とか立っていました。自分の存在意義など、ないも同然だと感じていました。

あるとしたら、お客様との時間だけでした。

来てくださるお客様の顔、「ありがとう」の一言。それだけが、私がまだここにいていいのだと感じさせてくれる、唯一のものでした。

あの頃の私に言えるとしたら、こう伝えたい。あなたの存在意義は、ちゃんとあった。お客様がそれを知っていた。あなただけが、気づけていなかっただけだと。

📞 #8778 各都道府県の女性支援センターにつながります。


あとがき

あなたの存在意義は、ちゃんとあります。

誰かのために働き続け、怒鳴られながらもお茶を出し、理不尽に耐えながら生きてきたあなたの日々は、決して無駄ではありませんでした。ただ、その優しさと誠実さが、間違った場所で消耗させられていただけなのです。

私がこのブログを書き続けているのは、同じように自分を後回しにして生きてきた方に、気づいてほしいからです。

自己犠牲は、美徳ではありません。

「迷惑をかけてはいけない」「私さえ我慢すれば」――そう思い込んで、自分の人生を誰かに明け渡してしまっていませんか。

一人でも多くの方が、その思い込みに気づいて、新しい人生を取り戻してくれることを、私は心から願ってこのブログを書いています。

あなたには、穏やかに生きる権利があります。

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